暗号解読の意義 とは






 今日、インターネットをはじめとする通信の普及で、世界各国で暗号の世界は大きく変わってきている。われわれの生活空間はインターネットを通して、個人個人がすでに世界的な広がりをもち、世界中で自由に個人が個人、あるいは組織に対しても直接通信できる時代に入った。特に電子取引における暗号化の問題が話題になっているが、この暗号化のありようも従来とはまったく違った様相を呈している。
 しかし一般的な従来の常識でいえば、暗号化というのはもともと通信情報の秘匿を目的として、その構成を特定のアルゴリズム(算法)のもとで変化させることをいい、それをもとの形に変換させて解読をするわけで、そのような一連の暗号の作業によって発信者と受信者で情報伝達が行われる。軍事、外交、政治、経済、社会における機密情報の符号(語句、文章、音節)ともいえる。
 コンピューターそれ以前の暗号化のパターンは,第一は語句や文章、あるいは音節など、つまり書いたものによる書類の時代があった。書類として記録されたものは保管され、第三者はその機密を取得するためには、厳重な立入り禁止のその書類の保管場所に人間が立入る必要があったわけだ。
機密が洩れて解読されたら暗号の効果は消失するので、機密は厳重に保管される。暗号とはそういう性格のものだ。 
 では、いったい今から3千数百年も昔にかかれた旧約聖書の暗号は、誰が発信者で、誰が受信者だというのか。何をつたえるために暗号化をはかったのか、なぜ秘匿にしなければならなかったのか、そしてどういう暗号化がおこなわれたのか、解明すべき点は多い。

多くの犠牲者がでた第二次大戦と暗号解読

 ここで暗号解読の意味合いを少し考えて見よう。暗号として隠され閉ざされ封入されたものが解読されるとどういうことが起きるのか。
過去の有名な事件を例に考えてみよう。
 有名なエピソードといえば、第一にあげられるのが第二次世界大戦のミッドウエー沖海戦における日本軍の敗戦のケースだろう。
第二次世界大戦時の活躍で歴史上もっとも威力をもったとされているのは、アメリカ国防省のブラック・チェンバー(機密室)だ。
解読は諜報機関の重要な国家政策で先を競ってひそかに研究が重ねられ、第一次大戦中から全力を投入したと伝えられる。そのため第二次大戦に先立つ1921年のワシントン軍縮交渉では、日本側の秘密指令は完全に彼らに解読されてしまい、日本側は最初から手の内を把握された状態で外交交渉にのぞんだことが多くの資料に明記されている。
(昭和12年に97式欧文印字機「パープル暗号」が外交暗号に使用された)

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 ミッドウエー海戦時(1942年2月頃)、アメリカ軍情報班は、日本軍常務用暗号・乱数表の大半を解読しており、ミッドウエー作戦の暗号電波が飛び交う頃にはその6割を解読していたとされる。日本軍はその年の4月1日に暗号を更新する予定だったが、あまりにも戦線が拡大しすぎて新暗号書の配布が間に合わず、徐々に延期しざるをえない状態だった。こんな中、アメリカ軍は暗号解読から日本軍の一大攻勢の近いことを察知するが、略号「AF」で示めされる肝心の攻略目標が、ミッドウエーと思われるものの、はっきりつかめず今一つ確証がとれなかったようだ。
 そんな時、ミッドウエーからおとりの偽情報「真水蒸留器が故障」という文面を発信する。まんまと罠にかかった日本海軍命部は「AFで真水が不足」とごていねいに司令部に発信したため、これでAFがミッドウエーであることに間違いないと確認をとられる。そしてアメリカ軍は様々な情報から日本艦隊の正確な動きを予測してこれを待ち伏せ、あの歴史的なミッドウエー沖海戦で日本軍の空母4隻を撃沈、太平洋の戦勢を覆すことに成功したのだ。














 また、あの日本海軍最高指揮官・山本五十六大将も南方のブーゲンビル島上空で、目的地のバレルまでほんの数分のところで、待ち伏せていたアメリカのP38ライトニング戦闘機に撃墜されてしまう。この時もアメリカ軍は暗号解読により山本五十六大将がその日に前線視察に一式陸攻でバベルまで飛ぶことをあらかじめ察知しており、待ち伏せをくわせたのだ。しかしこの時の暗号はミッドウエー海戦以降の改変強化されたもので、乱数表もその年の4月1日に変えられたばかりのもので短時間の解読は極めて困難なはずであった。乱数表を奪われた可能性が今でも囁かれている。日本側もアメリカ側の解読を疑ったが、アメリカ軍も偶然を装ったので結局気がつかないで終わっている。
 


一方の日本側の暗号解読技術はどのような状況だったかというと、海軍の暗号解読は極めて遅れており、5−60人の専門家が必至になってアメリカ軍の暗号解読に取り組んでも、結果として十数年の年月をかけて一言一句も解読できなかったようだ。、コンピューターのない時代のこと、解読の研究はすべて手作業で行こなわれ、頭脳を駆使し、膨大な日時歳月を費やして難航を究めたものだったようだ。

はたして暗号が解読できること、解読の意義はどれほどの価値があるのか?じっくり考えてみようではないか。



参考文献 学研「日米暗号戦争」



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