クローン人間誕生間近か!




 米ケンタッキー大学のパノス・ザボス教授(生殖生理学)は1月28日までに、不妊治療を目的に、イタリア人医師と協力して1,2年のうちにクローン人間を誕生させる計画を発表した。これまで新興宗教団体が同様な計画を明らかにしているが、技術的な裏付けを持つ専門家は初めて。日本では6月から施行される法律で禁じられるクローン人間づくりが現実味を帯びてきた。
 ザボス教授はケンタッキー大学の動物科学部門に所属する傍ら、医師である妻らと不妊治療クリニックと精子検査会社を経営している。米紙ワシントン・ポストなどによると、協力相手は、イタリア人不妊治療医セベリノ・アンティノリ氏をはじめ、数カ国の医師・研究者。アンティノリ氏は閉経後の60代女性を妊娠させたり、マウスの精巣内で成熟させた人の精子細胞による体外受精をしたりするなど、新しい不妊治療法を試みている。
 すでに日本人1組を含む10組のカップルがこの計画への参加を希望中で「地中海のある国」で実施したいとしている。無精子症の夫の体細胞から核を取り出して妻の卵子に移植、夫と遺伝的に同一の赤ちゃんを誕生させることなどが考えられる。
 ザボス教授はワシントン・ポストに対し、クローン人間が現実になることは避けられず、十分な技術のある専門家の手で公明正大に行われることが望ましいと語った。また「我々はだれかの自我を複製するというよりも、不妊を治療しようとしているだけだ。(バスケットボールのスター)マイケル・ジョーダンのクローン人間をつくることに興味はない」と話した。




2001年01月29日 朝日新聞






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