ルルドの奇跡 







 1858年2月11日の朝、南フランスのピレネー山麓、ポー河渓谷に住むベルナデッドと言う少女が妹トワネットと近所の友達ジャンヌの3人でマサビエルの洞窟に薪拾いに出かけて「貴婦人」の出現を受ける。ガブ川をわたるために靴下を脱ごうとしていると、突然にひどい風が吹いてきたような音に驚き、見回すと洞窟の入り口にある草木が大きく揺れ動いたと見る間に、洞窟の奥から金色の雲が沸き上がって来て、そこに16−7歳くらいの「貴婦人」の姿が浮かび上がった。「貴婦人」は白くゆったりした服を着け、頭から肩にかけて白いヴェールをかぶり、水色の帯を結んでいた。右の手首には、金色のくさりに、大きな白い珠でつづられたロザリオをかけていた。ベルナデット自身、最初は恐れポケットの中をまさぐってロザリオを取り出した。しかし金縛り状態で、祈ることも十字を切ることもできなかった。「貴婦人」は、にっこり微笑んで、自分の手にしていたロザリオの祈りを唱えはじめた。それをきっかけにベルナデットも十字を切り、ロザリオの祈りを唱え始めた。「貴婦人」は声を出さなかったけれどもベルナデッドの祈りに合わせて指でロザリオの珠を繰っていった。15分ほどたってから「貴婦人」は、金色の雲に包まれて姿を消した。その時、薪を束に結んでいたトワネットとジャンヌは、ベルナデッドを見て「こんなところで、お祈りするなんて、ばかみたいね。」と言いあっていた。
 その後、ベルナデッドは何度となく「貴婦人」の姿を見ることになるが、同行した人々には見えず、声も聞こえなかった。そのためベルナデッドの幻覚とも考えられたが、その場所に湧き出た泉水によって幻覚でないことが証明され、この水の湧き出る洞窟が「ルルドの聖泉」といわれるようになり、世界中のカトリック教会の聖地となっている。

1903年に、リオン大学医学部解剖学専攻のアレキシス・カレン博士は、ルルドの巡礼団に加わった。重態の結核性腹膜炎患者が、霊水の浴槽に浸けられた瞬間に治癒した事実を目撃し、熱心なカトリック信徒になったという。その後、彼はロックフェラー研究所で血管縫合術や、臓器移植手術の分野で研究し、1912年にノーベル賞を受賞している。 この奇跡の水の信憑性は、アレキシス・カレン博士の調査でも確認されて、より世界的に高まった。「人間、この未知なるもの」という彼の著書は、人間が全能の神の前に、万能であると過信するおごりを戒めている。彼はかつて唯物論者であった。

1927年に「ルルド国際医学会」が設立され、世界の30カ国の5000人以上の医師が名を連ねて、ルルドの水がもたらす効果について研究を続けている。

「ニューズウイーク」1971年号でも、イギリスの3歳の幼女のガンが聖水で奇跡的に消滅した例が写真入りで紹介された。




 「貴婦人」は17回目の出現の時に、ベルナデッタに、「私は無原罪の宿りです。」と告げた。それは「イマキュラーダ・コンセプシウ」(無原罪の宿り」を表すイマキュレ・コンセプションというフランス語のピレネーでの方言)という、ベルナデッドには意味のわからない言葉で言われたので、少女は意外に思い、名前を忘れないように、小声で繰り返していたという。この言葉こそ、「貴婦人」はキリストの御母であることを証明した貴重な一言であった。
 





          

ルルドの聖水



洞窟の左に傾斜地を利用して、ルルドの聖水が蛇口からでる設備がある。















ルルドの奇跡2








































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